歩いたり食べたり撮ったり座ったり

カメラを持って歩くのが好きです。

和洋折衷

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和洋折衷/山口県萩市萩城下町俥宿

RICOH GRⅢ ポジフィルム調

 

雨と風に負けず城下町をうろうろしているうちに着ているものも濡れてきたので一休みすることにした。

賑やかな通りをひとつ外れたところに古い知人が営む雑貨屋がある。築180年という屋敷の門を潜ると広い庭があって、客はその庭に向かって開いている広縁から靴を脱いで店に上がる。中では英国アンティーク展が催されていた。大学時代のひとつ先輩だった女主人はちょうど接客中だったようで、たまたま喫茶室の客が入れ替わるタイミングだったらしく、席が空くまでその辺りの椅子に座って写真でも撮って待っててくれと笑う。値札を見れば気軽には座れそうにない年代物の洋風の椅子が城下町にあるこの古い屋敷に展示されていて、その様子を裸電球の温かい光が照らしている。英国アンティークと城下町の古い屋敷の佇まいが絶妙に融合している。そんな絶好のロケーションを与えられて、では遠慮なくとあっちに座りこっちに立ちと場所を変えながらしばらく撮影に興じる。建物の中へ入ると広角単焦点レンズのGRⅢが扱いやすく、メインカメラのEM-1と並行して何枚か撮っているうちにいつの間にかカメラも主役交代していた。EM-1ももう第3世代が発売されていて、さすがにボディの古さは隠せなくなってきたが、瑞光のPROレンズの良さを気に入っていて手放せない。この夏にボディを更新しようと目論んでみたのだが、何を血迷ったか配達されて家に届いたのはGRⅢだった。昔、GX200というコンデジを気に入って使っていたのでRICOH機の扱い方はすぐに手に馴染んで、しばらくはGRⅢばかり持ち歩いていた。発色も好みだし、弄って遊べるおもちゃ感が半端ではない。ところで裸電球の下で二台のカメラを使ってみるとホワイトバランスの正確さにはっきりと差が出た。設計の新しいGRⅢの圧勝だった。僕にとっては2台ともメインカメラである。目下のところGRⅢが我が家に来て以来、防湿庫に引き篭もっているRX100MK5の将来だけが悩みの種なのだ。このカメラのAFだけメインの2台に移植できないかなぁ…。

さて、話が脱線したところで喫茶室の席が空いたようだ…。