梅一輪
OLYMPUS OM-D E-M1
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100 F4.0PRO
この冬最強の寒波は僕たちの住む地方にも雪と厳しい寒さをもたらした。少し山間部へ入るとまだその名残りが残っている。そんな中、少しでも春の兆しを見つけようと出かけたのが萩往還梅林公園…、毎年いくつかの梅の名所に出かけるなかでいつもシーズン最初に訪れるのがここで、それは何故かと尋ねられれば、ここが一番開花が早いような気がするからということなのだ。
毎年、ここに来るのは「まだ咲いてないかな?ひょっとしたらもう咲いてるかな?」と思うくらいの時季で、そのときの心持ちはまさに「一輪ほどの暖かさ」が恋しくてということなのである。梅林公園なので、園内にはたくさんの梅の木があって、満開になればそれは見事な花園になるわけだけど、ここに限ってはあまり満開の絵面の記憶がない。僕にとってこの梅林公園は春の兆しを見つけるために存在する、そんな場所なのだ。
2月になれば光の春になり、太陽は冷え切った大地を温め始める。その頃には秋吉台でも山焼きが為されて草原は芽吹きに備える。山焼きが終わって焼け山隠しという雪が一度降れば春はもうすぐそこに来ている。そんな季節の移り変わりの始まりが僕にとってはこの梅林の梅一輪なのである。
今年も例年のように日の丸構図で梅一輪の暖かさを持ち帰った。百花繚乱の春が待ち遠しいものだ。