歩いたり食べたり撮ったり座ったり

カメラを持って歩くのが好きです。

城跡から…

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城跡から…/島根県津和野町津和野城

RICOH GRⅢ

 

津和野城跡は建物のない城跡…、立派な天守閣が聳え立つ城跡もいいが、石垣だけが残る城跡もなかなか風情があって好きだ。太皷谷稲成からリフトで上がれば15分、歩いて登っても30分もあれば山陰の小京都津和野の街を見下ろす天守台に立てる。この城跡は秋の盛りには見事な紅葉を見ることができるので、時季がくれば毎年必ず訪れるところだ。何年か前に熊が出てしばらく通行止めだった登山道はいつの間にかコンクリート舗装されていて、周辺の木も少し切られたようで明るい遊歩道になっていた。念のためにと熊鈴も持っていたので下から歩くことにした。20分も歩けばリフトの山頂駅から続く道に合流する。大して高い山ではないが、そこはやはり城跡ということで、大きな木も多く、石垣が見える頃からは彩り鮮やかな樹々が訪れる人の目を楽しませながら天守台へと誘う。ひと汗かいた頃には展望の天守台に着いて、そこからは赤い石州瓦の建物が並ぶミニチュアのような津和野城下町を見下ろすことができる。時間が合えば黒煙を掃きながら走るSL山口号を見ることもある。

 

城跡から見下ろせば…、さだまさしの「案山子」という歌のモチーフになったとも言われる風景を眺めながら秋風に吹かれるひと時が心地良く、むすびを頬張りしばらく座ったあとは降りながら紅葉を見上げカメラを構えての撮影タイムだ。もちろん、毎年土産に持って帰る風景などそんなに変わり映えのするものではない。だけど毎年同じ風景を見ることが大切なのだ。そんなふうに思い出を塗り重ねながら変わらず生きていくことが大切なのだ。ハードディスクの中には毎年の記憶がたくさん詰まっている。何年経っても色褪せないデジタルデータだけど、もう少ししたら思い出色をプリントアウトしてアルバムを作ろうと思う。